AIで作った画像・動画はSNSに載せて大丈夫?|著作権と炎上を避ける投稿前の確認手順を中小企業向けに解説

SNSに投稿する前にAI画像をノートPCで確認する日本人の担当者
画像生成AIや動画生成AIを使えば、SNSの投稿素材を手軽に作れるようになりました。一方で、AIで作った画像を会社のアカウントに載せて著作権的に問題ないのか、気になりますよね。「お客様から手抜きと思われないか」と、投稿ボタンの前で手が止まっていませんか?

結論からお伝えすると、ポイントを押さえて確認すれば、AIで作った画像や動画もSNSで活用できます。文化庁の考え方や2026年の公的資料をもとに、投稿前に確認したい手順と炎上を避けるポイントを整理しました。

AI画像をSNSに載せるときの著作権の基本

まずは、AIで作った画像がどのような基準で判断されるのか、基本の考え方から確認します。よりどころになるのは、文化庁が2024年3月に公表した「AIと著作権に関する考え方について」です。

AIで作る段階とSNSに載せる段階は分けて考える

文化庁の考え方では、AIが学習する段階と、利用者が画像を作って使う段階を分けて整理しています。中小企業のSNS担当者に関係が深いのは、後者の「生成・利用段階」です。

AIで作った画像をSNSにアップロードして公表する場合は、通常の著作権侵害と同じ基準で判断されます。AIが作ったからといって、特別に許されるわけでも、特別に厳しく見られるわけでもありません。

注意したいのは、画像を作る行為に問題がなくても、SNSに載せる行為まで問題がないとは限らない点です。社内で試しに作るだけなのか、会社のアカウントで公開するのかで、確認の重さは変わってきます。

著作権侵害かどうかは類似性と依拠性で判断される

AIで作った画像が著作権侵害になるかどうかは、「類似性」と「依拠性」の2つが判断の軸です。類似性とは既存の作品と表現が似ている状態、依拠性とは既存の作品をもとに作った事実を指します。2つがそろい、例外として認められる利用にも当たらなければ、侵害と判断される可能性が出てくるわけです。

2つの要件と、投稿前にできる確認の方法をまとめました。

AI生成画像の著作権侵害を判断する2つの軸「類似性」と「依拠性」を解説した図解
要件意味投稿前にできる確認
類似性既存の作品と表現が似ている画像検索で似た作品がないか調べる
依拠性既存の作品をもとに作ったプロンプトに作品名や作家名を入れない・生成の記録を残す

AIならではの注意点は、利用者が元の作品を知らなくても依拠性が認められる場合がある点でしょう。学習データに既存の作品が含まれていれば、通常は依拠性があると推認されると整理されています。

一方で、作風がアイデアの範囲にとどまり、絵のタッチや雰囲気が似ているだけなら侵害にはあたりません。ただし、特定の作家の作品群に共通する表現まで感じ取れる画像は、侵害となる可能性があると示されています。

AIで作った画像に自社の著作権は生まれるか

文化庁の考え方によると、簡単な指示を入力して生成ボタンを押しただけの画像は、著作物にあたりません。自社のAI画像を他社にそっくり使われても、著作権を主張できない場合があるわけです。

一方で、細かい指示で修正を重ねた場合や人が加筆・修正した部分には、著作物性が認められる可能性があります。ロゴや看板商品のビジュアルなど自社の顔として長く使う素材は、AIの生成物に人の手を加えるか、最初から人が作ると安心です。

なお、文化庁の考え方に法的な拘束力はなく、最終的な判断は個別の事案ごとに下されます。

SNSに投稿する前の確認手順

AIで作った画像や動画をSNSに投稿する前に確認すべき6つの順序を示したフローチャート

文化庁は2024年7月、「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」も公表しました。チェックリストの利用者向けの項目を、SNS投稿向けに言い換えた手順はこちらです。

  1. 使うAIツールの利用規約の確認
  2. プロンプト(AIへの指示文)の見直し
  3. 画像検索による似た作品の確認
  4. 人物・商品・ロゴの確認
  5. 各SNSのAI表示の要否の確認
  6. 生成の記録と人の目での最終確認

6つと聞くと多く感じるかもしれません。慣れてくれば、投稿づくりの流れの中で無理なく回せる確認です。規約・類似・記録の3つを先に詳しく見ていき、手順4と5はあとの見出しで扱います。

使うAIツールの利用規約

最初に確認したいのは、使うAIツールの利用規約です。規約で見ておきたいポイントと、公式で確認できた主なツールの例をまとめました(2026年9月時点)。

ツール生成物の扱い主な注意点
Google(Geminiなど)生成したコンテンツの所有権をGoogleは主張しないと規約に明記生成AIの使用禁止ポリシーに従う必要あり。AIの生成物を人が作ったと誤解させる使い方は禁止
Canva生成物は利用者が所有(Canvaの素材部分を除く)AIの生成物を人が作ったと誤解させる使い方は禁止。他の利用者も似た画像を得る可能性あり
Adobe Firefly他者の権利侵害や実在の人物のなりすましなどを禁じるガイドラインありFireflyアプリ内の他社モデル(パートナーモデル)には各社の条件が適用

同じアプリの中でも、選んだモデルによって条件が変わる場合がある点は見落としがちです。規約は改定される場合もあるため、契約時だけでなく定期的に各社の公式ページで最新の内容を確認してください。

プロンプトと生成物の類似チェック

似た作品を生まないためには、プロンプトの書き方から気をつけます。作家名や作品名、キャラクター名をプロンプトに入れると、既存の作品をもとにしたと推認される事情になるからです。

画像ができたら画像検索にかけて、似た作品がネット上にないか確かめてください。文化庁のチェックリストでも、AIの生成物は利用する前に既存の作品と似ていないかを確認するよう示されています。

手元にある他人の画像をAIに読み込ませて、似たものを作らせる使い方にも注意が必要です。似た画像を作る目的で使う場合は、権利者の許諾が必要になる場合があると、同じチェックリストで説明されています。

生成の記録と人の目による最終確認

使ったプロンプトや生成した日付、使ったツールは、画像とあわせて記録しておくと安心です。万一「うちの作品に似ている」と指摘を受けたとき、既存の作品をもとにしていないと説明する材料として役立ちます。

投稿の直前には、画像を拡大して細部を人の目で確認してください。指の本数や文字の崩れ、ありえない建物の構造などは、AI画像で起きやすいミスの代表例です。

ただし、チェックリスト自体にも、すべての項目を実施すれば責任を問われないわけではないと明記されています。確認手順は、リスクを下げるための工夫として続けていきましょう。

Instagram・TikTok・YouTubeのAI表示ルール

Instagram、TikTok、YouTubeそれぞれのAI生成コンテンツ表示ルールとラベルのまとめ表

主要なSNSは、AIで作ったコンテンツの表示ルールを独自に設けています。3つに共通する分かれ目は、写実的(本物に見える)かどうかです。

SNS表示が求められる主な場面表示のしかた
Instagram・Facebook写実的な動画やリアルな音声をAIで作成・加工した投稿投稿時に開示ツールでラベルを付ける
TikTokリアルな画像・音声・動画を含むAI生成コンテンツAI生成コンテンツのラベルを付ける
YouTube実在の人物・場所・出来事がリアルに見える改変・合成コンテンツアップロード時に開示する

イラスト調など明らかに現実ではない表現は、SNSによって扱いが異なるので注意してください。3つのSNSのルールを、もう少し具体的に見ていきます。

InstagramとFacebookのAIラベル

Instagram・Facebookを運営するMetaは、写実的な動画やリアルな音声をAIで作った投稿に表示を求める方針です。表示を怠った場合は、ペナルティを科す場合があるとも公表しています。

ラベルの名前は、2024年7月に「Made with AI」から「AI info」へ変更されました。Metaは業界標準の目印をもとに自動でラベルを付ける仕組みも取り入れており、自分で表示しなくてもラベルが付く場合があるのが特徴です。

静止画の扱いなど細かな基準は更新される場合もあります。迷うときは、Metaのヘルプで最新の基準を確認してください。

TikTokのAI生成コンテンツラベル

TikTokは2023年9月、AIで作ったコンテンツであると示すラベルを導入しました。リアルな画像・音声・動画を含むAI生成コンテンツには、ラベルの付与が必須とされています。

ショート動画は、短時間で多くの人に広がるのが持ち味です。後から「AIだと隠していた」と受け取られると、説明する前に印象だけが広がってしまうでしょう。

AIで作った映像や声を使う投稿では、投稿時にラベルを付ける習慣をつけておくと安心です。

YouTubeの改変・合成コンテンツの開示

YouTubeは、実在の人物・場所・出来事がリアルに見える改変・合成コンテンツについて、アップロード時の開示を求めています。例えば旅行PRの動画に実在の場所のAI映像を加える場合や、実在の人物が言っていない内容を話しているように見せる場合が対象です。

一方、美顔フィルタ・背景ぼかし・明らかに現実ではない表現は、開示が不要とされています。台本やサムネイルづくりにAIを使っただけの場合も同様です。開示を繰り返し怠ると、YouTube側でラベルを付けられたり、ペナルティを受けたりする可能性もあります。

著作権以外に気をつけたい肖像・声・広告表示

著作権の確認が済んでも、安心できるとは限りません。人物の顔や声・商品写真・ロゴなど、中小企業のSNSでよく使う素材には、著作権とは別のルールも関わってきます。

実在の人物に似た顔や声

2026年8月、法務省は生成AIによる肖像や声の無断利用について、考え方を整理した報告書を公表しました。報告書では、人の声もパブリシティ権(有名人の名前や姿がもつ集客力を守る権利)などの保護対象になると整理されています。SNSでのなりすまし広告も、問題になり得る例として挙げられました。

公開前に実在の人物に似ていると気づいたまま投稿した場合は、侵害にあたる場合もあるとされています。SNS用の素材で避けたいものはこちらです。

  • 有名人に似せた人物の画像や動画
  • 実在の人物の声をまねたAIナレーション
  • 同意を得ていない社員やお客様の写真の加工

自社スタッフの写真や声をAIで加工して使う場合も、事前に本人の同意を取っておけば、あとで慌てずに済みます。似ていると指摘を受けたら、すぐに投稿を取り下げる判断をしてください。

商品や料理を実物以上に見せる画像

景品表示法が禁じているのは、商品やサービスの品質を実際よりも著しく良く見せる表示です。わざと偽った場合だけでなく、誤って表示してしまった場合も規制の対象になると、消費者庁は説明しています。

AIで作った画像かどうかにかかわらず、表示全般に同じ原則が当てはまると考えてください。料理のメニュー告知・商品紹介・リフォームの施工例など、お客様に実物を約束する画像には、AI生成画像を使わないのが無難です。

雰囲気を伝える目的で使う場合は、「画像はイメージです」とはっきり添えておいてください。

他社のロゴやブランドの写り込み

AIが作った画像には、実在する企業のロゴやブランドに似た図柄が紛れ込む場合があります。他社のロゴが写り込んだ画像は、SNSに使わないのが基本です。

AIでロゴや図柄を作って自社の目印として使うなら、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で似た登録商標がないか確認しておきましょう。Canvaの公式ヘルプでも、許可なく既知のブランドやキャラクターをプロンプトに入れないよう案内されています。

AI画像・動画の炎上を招きやすいパターンと予防策

法律上は問題がなくても、見る人の受け取り方しだいで批判が集まる場合もあるので油断できません。炎上を招きやすいパターンと予防策を表にまとめました。

AIが生成した画像の不自然さや権利侵害を人が最終確認して炎上を防ぐリスク管理の構図
炎上のパターン起きやすい状況予防策
手抜きと受け取られる告知や広告の主役ビジュアルにAI画像を使う主役は人が作り、AIは下書きや補助に使う
不自然さを指摘される指の本数や文字の崩れに気づかず投稿する投稿前に拡大して細部を確認する
作風の酷似を指摘される特定の作家やキャラクターに似た画像を使う作家名や作品名をプロンプトに入れず画像検索で確認する
AI表示なしが発覚するAIで作ったと明かさずに投稿する各SNSのラベル機能やキャプションで伝える

実物と異なる画像や、実在の人物に似た画像も批判を招きます。肖像や広告表示の注意点とあわせてチェックしておきましょう。

手抜きやクリエイター軽視と受け取られる投稿

AI画像が批判される理由の1つが、「人に頼む費用を惜しんだのでは」との受け取られ方です。イベントの告知や広告の主役ビジュアルなど、会社の顔になる画像ほど厳しい目が向けられるでしょう。

AIは背景素材・下書き・アイデア出しなど補助的な役割で使い、主役のビジュアルは人が仕上げると、手抜きの印象を避けられます。AIを使ったと隠さず「背景はAIで作成しました」などと一言添える姿勢も、誠実な会社としての評価につながるはずです。

確認不足が見えてしまう投稿

不自然な細部・作風の酷似・AI表示なしの発覚は、どれも投稿前の確認不足から起きます。確認手順を毎回回していれば、未然に防げる余地は十分にあるはずです。

少人数の会社ほど、担当者1人が作ってすぐに投稿する流れに陥ります。投稿前に別の人がひと目見るだけでも、作った本人が見落としていた違和感に気づけるはずです。

AIに任せきりにしないSNS運用の相談先

確認手順を投稿のたびに回し続けるのは、少人数の会社にとって簡単ではありません。確認の仕組みづくりに迷ったら、外部の力を借りる方法もあります。

AIツールとプロの手作業編集を組み合わせた安全で効果的なSNS運用のイメージ

YM企画のAI分析と手作業編集を組み合わせた運用

YM企画は、静岡県伊豆の国市を拠点にSNS運用代行・動画制作・AI導入の伴走支援を提供する会社です。SNS運用では、AIによる分析と人の手作業による編集を組み合わせて投稿を仕上げています。

運用代行を頼む場合は、どのAIツールを使い、何を確認したかを共有してもらうと安心です。なお、個別の投稿が法律に触れるかどうかの判断が必要なときは、弁護士などの専門家に相談してください。YM企画では、AIを使った投稿づくりの流れや確認の体制を、一緒に整える形でサポートしています。

30分無料相談の申し込み方法

AIで作った画像を使いたいけれど社内の確認体制が不安、そんな段階でもお気軽にご相談ください。申し込み方法はこちらの3つです。

今使っているAIツールや、気になっている投稿の例を教えていただければ、確認の進め方を一緒に考えます。相談だけで終わっても、まったく問題ありません。

まとめ

AIで作った画像や動画も、SNSに載せた時点で、通常の作品と同じ基準で著作権侵害かどうかが判断されます。投稿前には、ツールの規約・似た作品の有無・人物や実物やロゴ・AI表示の要否を確認し、最後は人の目で仕上がりを見てください。

紹介した炎上パターンは、どれも確認不足や説明不足が原因です。手順を決めて確認を続ければ、AIは投稿づくりの心強い味方に変わります。

動画編集でAIをどこまで使えるかは、AIによる動画編集はどこまで出来る?で詳しく紹介しています。自社のSNSでAIをどう使うか迷ったときは、YM企画の30分無料相談もご活用ください。

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